2010年01月13日

【書評】森山大道「新宿」

何だか最近、森山大道の写真が好きになってきた。「分かる」わけじゃないんだけど「好き」になってきたのだ。都市、街並みを見る眼差しが森山大道に似てきた(影響された)のかも知れない。

神戸でも、梅田でも或いは新宿でも、表裏の両面性があると思う。僕は新宿という街は一回しか行ったことがない。だから、ただただでかい街だという思いしかなく、表層的なところしか記憶がない。いわば「笑っていいとものスタジオアルタ」の新宿ぐらいしか知らないわけだ。
でも、少し角度を変えると街は「美しい」「上っ面」な表情とは違う側面を見せる。新宿でもきっと見る目を変えることで「美しい」「上っ面」な新宿とは違う顔を見せるのだろう。今回読んだ、森山大道「新宿」はそんな新宿の街を見せてくれる。

森山大道の切り取る新宿は、はっきり言って美しいものばかりではない。猥雑で空気はザラザラしている。写真を見る私の心は落ち着かなくなる。派手な身なりの女、疲れ切った電車のサラリーマン、風俗店、怪しいDVD屋、路上に横たわる男、チケットショップ。美醜でいえば醜い部分、ついつい視界から外してしまう部分の新宿がそこにある。猥雑なエネルギーなら大阪梅田を凌駕しているかも知れない。

でもその醜悪な物達が、圧倒的な質量で存在していて、しかも強烈なエネルギーを放つ。それを写し取る写真家にもきっとエネルギーが要求されただろう、と思った。僕だと、様々な物に圧倒されて、神経が参ってしまうだろう。
そしてその何とも言えない混沌とした物こそ、この写真集の不思議な魅力だ。私が新宿を撮るのはエネルギー不足で難しいが、いつか、こんな視線で自分の住む街を撮ってみたいと思った。

posted by やすゆき at 21:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月03日

ライスボウル2010

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

さて、お正月はニューイヤー駅伝に箱根駅伝、天皇杯とスポーツイベントが目白押し。さらに、3日にはライスボウルがある。楽しみにしているアメフトファンは多かっただろう。詳しい経過は他のブログに書かれていると思うので、雑感だけ書くことにする。

鹿島 19−16 関大

前半終了時点で思ったことは、
関大:意外とパス攻撃が効いている。反面、エースRB藤森のランが不発。
鹿島:1Qはなかなか出なかったランが、2Q辺りから少しずつ出始めた。
関大守備は華麗なインターセプトリターンTDで先制したが、これは事故のようなものだったと思う。だから序盤では流れがどっちに行くか分からなかった。
基本的には前半は守り合いと言う印象だった。互いにディフェンスの出足が良くて、ロスさせる状況が多発した。結果的にロースコアゲームとなった。
でも、徐々に鹿島の中央のランプレイを関大が止めきれないシーンが目に付くようになった。逆に関大が得意のランを最後まで封じ込められた形である。だんだんモメンタムがじわじわ鹿島の方に移っていった感じだ。

スタッツは確認してないが、おそらく鹿島の方が攻撃時間を使ったと思う。地力は鹿島の方があったのだろう。

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posted by やすゆき at 23:15| Comment(0) | TrackBack(1) | スポーツ面 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月30日

インフレ・デフレはキッズネットに学べ!

最近はtwitter上で色々コミュニケーションをさせて貰っている。特に、経済に詳しい方々と色々議論させて貰っている。正直言うと、私の知識量はたいしたことがないので、こちらからは訪ねてばっかりである。「経済学・門前の小僧」の気分だ。詳しい人に向かって、素朴な疑問をぶつけるのが僕の役回りみたいだ(汗)

ある時(だいぶ前の話だが)、「インフレ・デフレの意味が分からないまま話を進めちゃってる人が多いよね」的な話が出た。確かに、インフレの定義、デフレの定義をしっかり説明する自信は僕にはない。そうこうしてるうちに、ある方が「こんなページがあるぞ」と紹介してくれたのが・・・

インフレーション | 学習百科事典 | 学研キッズネット

これを読んでびっくりした。インフレとは何かを簡潔に説明されているし、インフレを起こす原因が何かについてもちゃんと書かれている。学研キッズネット言うだけあって、ひらがなでルビが振ってあるのでお子様にも安心だ(お子様が理解できるかどうかは別にして)。
ちなみにインフレを起こす原因については、

(1)政府が財政の赤字を補うために,大量の公債(赤字国債)を発行し,その公債を引きうけるために,中央銀行が大量の不換銀行券を発行したとき(財政インフレ),

(2)中央銀行が市中銀行に過度に貸し出しを行い,大量の不換銀行券を発行したとき(信用インフレ),などである。このような場合は,結局,商品の流通に必要とされる以上に通貨が流通することになり,通貨の価値が下落し物価が上昇し,インフレーションとなる。
(ルビは省略しました)

とある。(1)(2)とも、言わんとするところは通貨の価値下落ですね。
学研キッズネットによれば、国債の中央銀行による引き受けをやればインフレになると言うことだから、デフレ脱出の手段として「国債の日銀引き受け」は検討に値すると言うことだ>日本銀行さん(汗)

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posted by やすゆき at 21:53| Comment(2) | TrackBack(0) | 経済面 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月13日

【書評】司馬遼太郎 歴史歓談

この本は、中央公論社発行の雑誌・書籍に掲載された司馬遼太郎と各氏との対談や座談会の記録集である。その中で「司馬史観」を存分に味わえる趣向だ。

対談は古い。1964年12月から1993年1月までに発表された対談であるから、時論としては湾岸戦争の辺りまでとなる。それでも、日本の一流どころの文化人・知識人が動員されているし、三島由紀夫や湯川秀樹・岡本太郎といった面々までラインナップされているから、様々な読み方が可能だろう。
扱う時代も幅広い。縄文・弥生から、日本の古代、中世から明治維新、そして20世紀末までありとあらゆるテーマが詰まっている。読書感想文として、全部を取り扱う訳にはさすがにいかない。

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posted by やすゆき at 21:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治面 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月30日

モノと記憶

引っ越しをした。引っ越しの片付けついでに、色々要らないモノをふるい分けた。
家の大きさは当たり前だが有限だ。なのに僕らは消費をするものだから、モノが家の中に蓄積されていく。いずれキャパシティがいっぱいになってしまうのは目に見えている。だから、古くてもう使わないモノを、勇気を持って「要らない」側に分けていく。持ち物のかさが少しずつ減っていくのが分かる。

要らないモノを見つけていく度に、自分の精神の中にあった澱んだモノも流れていく気がする。モノと記憶は結びつく。だから、要らない持ち物を捨てると要らないネガティブな記憶もどこかへ行ってしまうのだろう。

クローゼットの中を整理してたら、なんと今は亡き"SuperASCII"が!
表紙を見ると「Win95か?NT4.0か?」なんて懐かしい特集をやっている。もちろんどこをみてもGoogleのグの字も出ていないであろう。あの頃はPCの情報を追っかけるのが楽しかった記憶がある。
紐でくくって捨てることにした。ごめんね、いつまでもスペースを与える訳にはいかないんだ。

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posted by やすゆき at 21:48| Comment(1) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

内藤vs亀田の「番組作り」に物申す

<ボクシング>亀田興が2階級制覇、内藤に判定勝ち(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

ボクシング通ではない私も視聴してしまったこの一戦。
ボクシング素人の私としては、なんで内藤のあんな大振りのパンチが当たるんだろうと不思議だった。序盤は割と内藤の方が手数が多かった気がする。一方、亀田興毅の方は基本的にカウンター狙いって感じに見えた。前進する内藤に亀田が少しずつ間合いを取ってるシーンが多かった。
(繰り返しますが)ボクシング素人の私は、どっちが有効打を放ったかあんまり分からない。振り回す内藤の方が見た目は派手だがあんまり当ててなかったようだし、一方亀田は試合前のビッグマウスとは裏腹に冷静な試合運びに見えた。
何ラウンドか忘れたが、途中から内藤が鼻出血。そして試合が進行するにつれて、少しずつ顔が腫れていくのであった。顔の変化で優劣が理解できる試合。知らない間に、コツコツと亀田興毅が当ててたようだ。

でも(何度も繰り返しますが)ボクシング素人の私としては、なんかつまらない試合だったな、と言うのが正直なところ。なんか「大振りな内藤にカウンター狙いの亀田が勝ちました」みたいに見えて、エクスタシーは感じなかった。多分、もっとスペクタクルが展開される試合を私は観たかったからだと思う。つまり期待値が高すぎたのだな。

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posted by やすゆき at 00:38| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ面 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月26日

二番底の相似形

twitter経由で知る。
藤井裕久氏は細川政権時は大蔵大臣、この度の鳩山政権では財務大臣に就任している。藤井氏が就任してからの株価の動きが、前回と今回でなんと相似形を描いているというのだ!2ch辺りでも話題になっているらしい。
その図表がこれだ。

見事な相似形だ!

http://market-uploader.com/neo/src/1259160979084.jpg

円高容認ともとれる発言、提示できない経済成長戦略、凍結しっぱなしの補正予算、予算削減しか頭にない仕分け人と「民主不況」が現実味を帯びる可能性はどんどん高まっている。株価は景気の先行指標である側面がある。上の図表の通りで行くと、「来年1月2月辺りにボトムが来そう。」との声も聞かれる。

こんな嫌な予想は当たって欲しくないんだが。

posted by やすゆき at 23:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済面 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月12日

その一言が余計なんです>鳩山さん

鳩山由紀夫首相は11日夜、自身の巨額の資産報告漏れ問題について「恵まれた家庭に育ったものだから、自分自身の資産管理が極めてずさんだったことを申し訳なく思う。心を入れ替えてしっかりとやりたい」と反省の弁を語った。その上で、「しっかりと国民の皆さんの目線にあった政治を行っていきたい」とも強調した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
鳩山首相「恵まれた家庭に育ったので…」と報告漏れを反省  - MSN産経ニュース
その一言が余計なんですよ、鳩山さん。あなたが「恵まれた」家庭に育った事なんてみんな知ってる訳だから。ここはただ一つ「私の不徳の致すところ」とでも語って嵐が過ぎるのを待つ一手なのに。これからどんだけ追求されるか分かりませんが。

それにしても一国の総理大臣の順法精神を疑わなければならない、このことが憂鬱。

 

posted by やすゆき at 21:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治面 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【リフレ】日本が過去3回やって成功した話

J-CASTニュースでデフレ危機論争の紹介(2009-11-11 - Economics Lovers Live)

この記事の内容とは関係ないが、いまやアメリカやイギリスでは普通に実行された政策をなぜ日本がやれないのか、それはもう政治的な問題にすぎないでしょう。簡単にいうと財務省の財政再建派とデフレ政策をとる日本銀行の協調でしょう。

勝間和代氏が反デフレの提言を行って以来、リフレ政策への是非の議論がネット上で盛り上がっているようだ(そしてそこに池田信夫なる人間も絡んで"痛い"光景も展開されているようだが)。
それにしても勝間和代氏の影響力はすごい。過去リフレに関する提言は、ポール・クルーグマンと言ったノーベル賞級の学者が提言しても、日本においては受け入れられたとは言えなかった。でも勝間氏は行動力もあるし、何よりネームバリューがある。名の通った人間が動くと言うことは、何かしらの変化を期待できるかも知れない。

ところでリフレ政策ポータルWIkiに依れば、日本は過去3回リフレ政策を実行し成功をおさめているのだ。
歴史から見たリフレ政策 - リフレ政策ポータルWiki - livedoor Wiki(ウィキ)
その3度とは、
・徳川時代:将軍吉宗と元文の改鋳
・明治維新の太政官札発行
・昭和金融恐慌からの脱出(高橋是清による)

リフレ政策はかつてこの日本で一度成功したことがことがありますので、一度うまくいった政策ならもう一度試さない手はない、と素朴に思います。そんなわけで、私は分からないなりに、この政策を支持してるわけです。
勝間和代さんがデフレ脱却署名運動を開始 - リアリズムと防衛を学ぶ

3度やって成功した政策を、なぜ4回目をやることに政府は躊躇するのか?私も同じく素朴な疑問を呈したい。

 

posted by やすゆき at 20:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済面 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月09日

ポートライナー8000型引退

ああ、今日のことだったんだ。

28年の運行に幕−神戸「ポートライナー8000型」最後の車両が引退 - 神戸経済新聞

28年前に開かれたポートピア'81にもポートライナーで行ったと思うし、ちょくちょく用事で乗る機会もあった。
ガックンと発車し、ガッコンと停車するような感じだったと思う。このギクシャク感は最新の2000型ではだいぶ抑えられたような気がする。開業当初は割とトラブルもあった記憶があったが、暫くすると安定して走るようになった。

ポートライナーは私の中では、先述のポートピア'81と強く結びついている。地方博覧会というものの最初で最後の成功例ではなかったか?母親に連れられて、いろんなパビリオンを回った淡い記憶がある。それから後、各地であらゆる博覧会が開かれてきたが、ついにポートピアの成功を超えるものはなかったと思う。北海道の「世界・食の祭典」のような大失敗例もあった。

神戸の割といい時代から今日まで、ずっと走り続けたのだな。長年にわたり、お疲れ様でした。

posted by やすゆき at 21:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 地方版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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