2009年03月26日

人間由来バイオ燃料

二酸化炭素が地球温暖化に与える影響については、実は未だ議論の余地があるようである。しかしながら、大量のカーボンの排出が何らかの悪影響を与えると多くの人が感じている現状である。またより切実な問題として、NOxやPMの削減が課題となっている。尼崎公害訴訟においても、問題とされたのはCO2ではなくNOxやPM(そして騒音)であった。
あらゆる意味で今までと違う燃料が求められている。

「地球に優しいバイオ燃料」と言うことでバイオエタノールがもてはやされていた時期もあった。でも人様が食べる分の作物をエタノールに変えてしまうことには大きな批判もある。曰く「発展途上国の人々に行き渡る分の食料が減ってしまう」というのである。まぁこの批判も「先進国が発展途上国に援助をすること」を当然の前提としている点でどうなのかと思わなくもないが。でも食用を燃料に転用しているだけ、というのは事実である。
そう。我々が欲しいのは「捨てるはずだったものを原料にする」燃料のはずだ。
そんな昨今、こんなニュースが飛び込んできた。そう、人間由来のアレを原料にするのだ。

とうとう人類は自分たちのウンコやオシッコから燃料を作れるようになったのだ。もっとも、し尿からバクテリアの作用でメタンガスが出てくるのはよく知られた事実ではあるが。ただ実用可能にするには色々とハードルがあったのだろう。
ところでそのし尿をどうやって回収するのか?まさかオスロ市は未だくみ取り式便所って訳ではあるまい・・・と思ったが記事によれば、メタンガスプラントは下水処理場に設置されるという。 つまりし尿だけではなく洗濯や台所の排水が混じった下水でも大丈夫と言うことか。

コストについては、燃料単体では従来の軽油に対して競争力があるようだが、車両自身の価格、およびそのメンテナンス費用については従来より割高になってしまうようである。後者(つまり導入費用)は、普及が進めばコストダウンが実現されるのだろうか?そこについては記事中に突っこんだことは書かれていない。ただ、

さらにディーゼル燃料と比較して、呼吸器疾患の原因となる2つの物質である窒素酸化物と微粒子の排出はそれぞれ78%、98%も削減される。バスの騒音も92%抑制される。

との事。NOx、PMさらに騒音まで大きく削減できるところにメリットがありそうである。そこに魅力を感じて、自治体レベルで導入を推進するところは出てきそうだ。先進国の主要自治体なら下水処理場をもっているだろう。
人間のし尿で行けるなら、ニワトリや牛・豚のし尿でもやれそうな気がする。

し尿とは関係ないが、天ぷら油から燃料を取り出す事業をやっている会社もある。こちらは既に京都市のゴミ回収車や一部市バスで実用済みである。このバイオディーゼル燃料は、軽油と混ぜなくても必要十分なパワーを出せるようだ。
バイオディーゼル燃料(BDF)研究開発・製造・販売 使用済み天ぷら油回収・リサイクル レボインターナショナル

しかし我々は毎日トイレで燃料の元を垂れ流し続けていたのであるな。もったいない、もったいない。

posted by やすゆき at 20:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 科学面 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
使用濟の天婦羅油を燃料にしてゐるといふのは聞いたことがありましたが、人間の排出物とは!
たうとうここまで來たか、といふ感じです。
これを燃料にしてバスが走つた場合、バスの排出ガスはオナラのやうな匂ひがするのか、なんて想像をすると、なんだか愉快な氣持ちになります。
Posted by 仙丈 at 2009年03月26日 21:30
仙丈さん、どうもです。
リンク先の記事でも「念を押して」書いてありますが、「臭いは決してしない」と言うことです。アンモニアじゃなくてメタンですから、そりゃそうですね(w
でも天ぷら油ディーゼルはやっぱし揚げ物の臭いがするらしいです(wこれはこれで愉快な気持ちになります。
Posted by やすゆき at 2009年03月27日 13:44
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