2006年03月06日

GM、トヨタとの燃料電池車研究を打ち切り

トヨタとGMは、燃料電池車の共同研究を止めてしまう模様である。

GM、トヨタとの燃料電池車研究を打ち切り
【ニューヨーク=小山守生】米自動車メーカー最大手のゼネラル・モーターズ(GM)は2日、トヨタ自動車と進めてきた燃料電池車の共同研究を3月末で打ち切ると発表した。 Click here to find out more!  燃料電池車以外の提携関係は2008年3月まで維持し、高度道路交通システム(ITS)や安全技術の共同研究や情報交換を進める。  GMは「燃料電池車はこれまでの研究段階から、メーカー同士が競争しあう開発段階へと移行し、共同研究になじまなくなった」と説明している。
(読売新聞)

打ち切るから燃料電池を止めてしまう訳ではなく、多分トヨタは基礎研究を継続するだろう。例えば以下のような、

トヨタはハイブリッド重視で、GMは燃料電池重視であり、それが原因で提携解消したんじゃ、って噂もあるが、トヨタがGMに流されずにハイブリッド重視路線を選んだのは、やっぱり内燃機関をゼロにはできないということだろうか〔こう見ても問題ないですよね、某Tさん?〕。この話をしていた時にいなかった人のために軽く説明すると、今内燃機関を使わない車に突然移行すると、内燃機関に関連する部品会社が全て壊滅的危機にさらされることになり、巨大グループを形成しているこの関連会社がやられると、日本経済が激変してしまう、ということだ〔ですよね?〕。
燃料電池車の将来@松田の雑記帳

みたいのは少々穿ち過ぎってもんだと思う。大体、一夜にして燃料電池車だらけになるなんてはずも無く、また部品メーカーが培ってきた要素技術(製造技術)は別の分野に転用していけるものだからである。むしろ(一例を挙げると)、

 結局は仲違いということのようですが、 本音は販売不振で資金面が苦しいGMが、いつモノになるかわからない燃料電池車の研究に金を投じる余裕がなくなったということなんじゃないですか?
GM、トヨタの燃料電池車開発を3月で打ち切り@スライムの徒然日記

と言う見方が自然だと思う。仲違い、とはちょっと違うと思うが。もともとGMとトヨタの提携の背景は、昔の自動車貿易摩擦がある。合弁工場を造ったり、トヨタがシボレー・キャバリエを輸入してたりしたが、キャバリエの方はさっぱり売れなかった。合弁(NUMMI、Wikipediaではこちら)は上手くいってるようであるけれど、ルノー=日産連合ほどの緊密さは、GM=トヨタ間に無い。
共同開発と銘打つからには、GMにも資金拠出が求められる訳で、トヨタとしても銭をもらわずに一方的に技術を出せない。まぁ当たり前である。GMの「競争し合う開発段階云々」は言い訳と捉えて大丈夫だろう。

目先に儲けだけに囚われてはいけない。将来の飯の種もとても大事である。プリウスの成功なんかを見ても、エココンシャスな層の需要と言うのは確実にあるようで(もちろんそれだけじゃないですが)、やっぱり燃料電池車の研究はやっとかなくちゃいけない。そんな訳で、トヨタは単独で燃料電池車開発を継続する。そもそも、トヨタ・FCHVのスタックは自社開発らしいし。その一方で、やっぱし目先の儲けも大事だったりする訳である。今儲かってるからこそ、未来への投資が出来ると言うもの。GMにとって大事になのは間違いなく目先の儲けである。それも早急に。
#日産も立て直しの為に、目先の飯の種を大事にして来たが故に、ハイブリッド等では後手にまわっている。

燃料電池車の泣き所

燃料電池車の泣き所は、「如何にして水素を得るか」が最大の難関として存在する事だろう。ここが割と簡単にまとまってると思うが、
(a)一番供給インフラが整っているのはガソリンだが、改質に800度近い温度が必要
(b)メタノールでも、改質に250度ほど必要
(c)一番効率が良さそうなのは水素そのものを供給する事だが、供給インフラは皆無に近い
と、水素を得る方法に決定打が無いのが現状。(a)ではも一つ効率に難があり、(b)(c)ともインフラに問題を抱える。燃料電池のネックは、最終的にインフラになるだろう。ここは、メーカーだけが単独で頑張ってもなかなか解決しない問題ですな。

このあたりが、「やっぱ省エネ車の将来は燃料電池でしょ」と考えたGM等と、「いやいや、その前にハイブリッド」と考えたトヨタ等との間で明暗が分かれた感じである。ハイブリッド車に新たなインフラは要らないのだ(ガソリンで走るから)。



posted by やすゆき at 00:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 科学面 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 これはGM側の理由として非常に有力ですが、トヨタ側についてはどうお考えですか。
 トヨタは燃料電池の研究は続けるでしょう。しかし、内燃機関もまだまだ使い続けるでしょう。
http://www.toyota.co.jp/jp/tech/environment/ths2/
http://www.toyota.co.jp/jp/tech/environment/fchv/
の図ように並行して研究していくだろうと思います。そして、その理由の一部にその引用先があると考えているのであります。
Posted by MAZDA3-ZZR at 2006年03月06日 07:38
MAZDA3-ZZRさん、こんにちは。ご覧頂きありがとうございます。「穿ち過ぎ」とは書き過ぎでした。お詫び申し上げます。

トヨタ側の理由>
まぁ、金の切れ目が縁の切れ目かと(汗)
舌足らずでしたので、補足を込めて・・・。
仰るとおり、まだまだ内燃機関の時代です。そしてハイブリッドの時代です。燃料電池車実用化には越えなきゃいけないハードルが有り過ぎます。
現時点での研究の意味合いは、技術PRぐらいしかない。「こんなんやってまっせ」の域を出ていないのですね。(ホンダも一緒でしょうが。)

でも、研究を続けることにはやはり意義はあります。10年先の事は分からない。そして、突然世界のルールは変わります。本当に燃料電池の時代が来るかもしれません。その時、ハイブリッド車を磨いてばかりいると変化に乗り遅れてしまいます。ハイブリッドでイノベーションを起こしたトヨタが別のイノベーションで窮地に追い込まれるのは悲劇的です。
そんな事、私が分かってる位ですので(笑)、トヨタ・ホンダは十分分かっています。ですからコツコツ研究を続けていくことでしょう。
思えば、いつモノになるのか分からない研究に大金を投じる事はすごいことです。羨ましい。普通、中央研究所に在籍している研究員でも、目先の仕事をやってるものですので・・・。
Posted by やすゆき at 2006年03月06日 12:58
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