2005年05月20日

やじゅん殿、おかえりなさい/「書く」と言う事

いつも購読している「やじゅんの世界ブログ」のやじゅん殿が、帰国されたとの事。おかえりなさいませ。
このブログを知ったのは、溜池通信によって。以来、ROMだけどずっと読ませていただいた。米国に留学されていた事はプロフィール欄で存じ上げていたが、実は何を専攻されていたかは全然知らないのであった(汗)多分、国際政治絡みだとは思うけど。それどころか、顔も見たことが無いのに、なんとなく他人では無い気がするのはとても不思議である。

暫く前から「親米か、嫌米か」をテーマにした一連の記事をかかれていた。いやぁ、やるなぁ、すごいなぁ、と思いながら見ていたものである。そして、勇気があるなぁ、とも思った。アメリカとの付き合い方、そしてアメリカとともに歩むのか、それとも距離をおくのかは、ホットな話題であるし、時に論争を呼ぶ。ひょっとして"炎上"などと言う事態すら招きかねない。
実際、やじゅん殿のその一連のエントリを見ても、コメント欄が盛り上がっていた。それに真摯に対応される姿が、印象に残っている。
#で、自分は内容についていけずに、傍観していたのは秘密。
これですよ、これこそ私のブログが目指す姿ですよ。阪神が調子いいからって、そんな記事ばっかり書いている場合ではない。

「書く」と言う事

ブログを書く意義って何だろう・・・とは、いつも考える。Webページを今まで持たなかったので、人様のBBSやコメント欄に書き込むことはあっても、自分が主体になって何かの意見を表明していく場が無かった。ただ、人様のところに長々と書き込むことが何回かあった。自分のブログに、延々と長文を書かれた経験はまだ無いけれど、どうなのだろう?これって、嫌がられる行為なのではないだろうか?少なくとも私は、長文を書いてしまった後に、ちょっぴり後悔したのだった。
人のところに長文書くよりも、自分のブログを持ってそこからトラックバックを送ったほうが良いのではないか?ブログでもやろうかと考え始めた動機は、こんなものだった。えらく弱い動機である。そして、これが更新頻度が少ない理由でもある(ホント?)
それに引き換え、やじゅん殿はブログを書くことについて、明確な目的をもっているように思える。書くことで、自らの思考を纏め上げていこうとされているようだ。

書くことは時間をとりますが、勉強になります。あらかじめ固まった考えを形にするときもその整理の仕方は頭を使う作業ですし、また、うやむやだった考えが書くプロセスの中でまとまることがあります。

書くことは時間をとる、どころか私の場合時間がかかりすぎるのが欠点。本紙で代表的なのは、この「塩野七生のクレオパトラ評」の記事。雪斎殿の美人論を受けて、「じゃあ、自分も書いてやるぞ」と息巻いたは良いが、当初の予想よりも困難を極めた。クレオパトラの話が出てきたので、「ローマ人の物語」に触れざるを得ず、あちらこちらに付箋紙を貼りながら四苦八苦して文章をひねり出す。挙句の果てには、結局何をメインテーマに据えたら良いのか途中で見失う始末。
書くと言う行為は、脳内にどれだけ知識がインデックスされているか、すぐに引き出せるか、そしてそれらを纏め上げることが出来るか、が問われる行為だとつくづく思った。ブログを続けることによって、これらの能力も少しは鍛えられるだろう。

書いていると、自分の中で不確かな思考や情報が見えてきます。そうすると一層考えたり調べたりする必要が生じます。これが日記や友達へのメールであればそのへんをうやむやにしてだますことはできますが、ウェブのように不特定多数の人に見せるものになると、そういう曖昧なところや自信のないところを確実に突っ込まれます。宿題のペーパーを書くような緊張感を持って、しっかり考えて書く気になります。

実験・試作で日々問題点が持ち上がってくる。困ったことに、トラブルの原因がよく判らない事だってある。それでも、翌日朝のミーティングで状況を説明しなくてはならない。この時、問題が発生した経緯や状況、そして考察などを上手く説明するのは、結構大変だと思っている。記憶だけを頼りに、すらすらと説明できる人も居るけど、尊敬してしまう。
やはり、思考の中に不確かな物が残っているのだ。この時、メモ書き、箇条書きで良いから「書く」と言う行為が大事なのだと思う。それによって、不思議と思考が整理されて、あやふやな部分が減っていく。こんなことを、実感している。そうそう、今日もウェハが割れてしまうトラブルが起きた。明日の朝、報告しないといけない・・・。

それにしても、ウェブと言う、言わば衆人環境でそれなりの事を書く、発言すること自体が緊張感を伴うものだと私は思っている。中には、全然何も感じてない人も居るようだけど、多分「晒されている」感覚を持ち合わせていないだけだろう。うちのような「過疎ブログ」なら問題は少ないが、やじゅん殿の所はアクセスも多いだろうから、余計テンションがかかると思う。それが上記引用の「緊張感」なのだろう。

また、ブログの形式だと、コメントやTBをもらって、見ず知らずの読者と対話をすることができます。これは結構大きいというか、昔の人にはできなかった贅沢な遊びな気がします。ソクラテスの対話や、弁証法を見ても分かる通り、知の営みにおいては、何か問いを立ててそれに対する答えを考えること、つまり対話がすごく重要な要素となります。(中略)私が対話に最も重きを置いているのはこの部分です(「勉強になりました」の記事でも同様の考えを述べました)。

コメントやTBで、相手の意見を上手く引き出す事ができればいいなと思う。立ち寄らせていただくブログはどれもレベルが高くて、なかなか上手くいきませんが。
「知の営みには対話が重要」は本当にその通りで、だからミーティングをしたりブレストしたりする。ブログツールに備わるコメント欄やTB機能も、きっと対話を促進してくれると期待される。ただ、現実のブログ界は必ずしもそうでは無い様で、例えばつい最近の"ホリエモン騒動"でも擁護派・批判派それぞれ内輪でサークルを作って、相互に建設的な対話がされていた様には見えなかった。その辺りのところを以前記事に書いた。単にTB機能があるだけでは、対話が進まないように思う。何が欠けているのだろう?

古典の話にも触れられていたので、少しはそっちの話もしようかと考えたけれど、長くなるのでやめます。

これからのご活躍を祈念しつつ

更新頻度が落ちます、との事。少し残念。でも、RSSリーダーを使っていると、たまの更新でも見逃すことが無い。嗚呼、RSSフィードのありがたさ。
無理せず続けていただけたらなぁ、と思っています。この頃で言えば、例の核実験の問題もある。次の記事の執筆の機会は、意外と近いのではないでしょうか?(笑)



posted by やすゆき at 00:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
やすゆきさん、お久しぶりです。過分にして親切なお言葉、どうもありがとうございます。ブログは拝見しております。

私も衝動的にブログを始めましたし、ブログを書く目的について、明確に意識しているとえらそうに言えるほど私は考えたことはありません(笑)。記事に書いたのは、むしろ、人に対して主張したり説得したりする強い気持ちはない、ということの言い訳をしていた面があるように思います(実際のところ、そこまでの自信がないのでそれでいいと思うんですけど)。やすゆきさんのおっしゃる動機についても記事で触れましたが、大事なことだと思います。自分の家の敷居をオープンにしておけば、他の人の家にあがっても失礼ではないだろうと思いますよね。

建設的な対話が難しい点について、私も常々そう思います。昔むなぐるまさんが「反響効果」として説明されていましたけど、ネットで山のように情報があふれていることは、一見素晴らしいことのように見える一方で、実際は自分に都合のいい情報ばかり目がいって、むしろ主張が内にこもって硬質化してしまう危険があると思います。情報化時代だからと言って、人間の知性が進化するというものではないんだなあとつくづく思います。ツールはツールにしか過ぎないので、それに振り回されないようにしないといけないと思います。

これからもよろしくお願いします。

(ちなみに、私はスタンフォードの大学院で国際政治を学びました。といっても、専門的な勉強は中途半端に終わりまして、むしろ、おおざっぱですが、米国という国はどうなのかとか、米国人はどうなのかといったことを学んだ気がします。)
Posted by やじゅん at 2005年05月21日 02:15
やじゅん殿、こんにちは。

>自分の家の敷居をオープンにしておけば、他の人
>の家にあがっても失礼ではないだろうと思います
>よね。
某所にて、匿名vs実名の話が盛り上がっているようです。私は、他人の実名・住所・勤務先まで知りたいとは思いません。が、コテハンのほうが人となりが透けて見えるようで、好意を持ちます。相手が見えるような、信頼感なのでしょう。
住所不定無職より勤め人の方が信頼されるのと同じように、「ネット上の住所不定」より何かを保有していた方が多分信頼されるに違いない、これもブログをはじめた動機です。

ネットの情報>
これだけ情報が溢れ出すと、自分一人で全てを処理することが出来ません。ですから「フィルタ」を使うわけです。例えば、「溜池通信」を読んで、世界を把握する、と言うことをやる訳です。でもそれは、かんべえ殿の見方に依存してしまうことでもある。ある意味危険です。
複数人のフィルタを設定してバランスをとりたいところです。

これからも、宜しくお願いします。
Posted by やすゆき at 2005年05月21日 13:57
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