2005年05月23日

株の世界と成果主義と

高額納税者番付No.1にサラリーマンが輝いたことが、話題になった。例によって、いつも購読させて頂いているブログからの引用を中心にしつつ、コメントを書いていく。
この方、株の世界の成功者なのだけれど、バブル期は株と土地取引関連が高額納税者を輩出していたようだが、その後長らく低迷が続く。最近になって、株式関連の方はランクインされる方が多くなったみたいで、ここ数年の市場の持ち直しを反映していると言えるだろう(好調とまでは言いませんが)。

その投資スタイル

まずはその投資スタイルについて、Aim High News Review殿(「「タワー投資顧問」とは何なのか?」と「「タワー投資顧問」パート2」)の記述を元にまとめた。

  • 基本的には、割安な中小型株を買い、割高な株を空売り(ロング・ショート型と言うんですって)
  • 非効率な市場と言える中小型株の相場で勝負している事(非効率ゆえ大儲けのチャンスがある)
  • 中小型株の相場には、あまり機関投資家の入ってこない事(大半が無軌道な個人投資家の中に、強力なプレーヤーが参入するのだから、ひとたまりもない)

こっそりと告白すると、ちょっと以前に私も株を(かじった程度に)やってたことがあった。今は全ての株を売ってしまい、株は休憩状態。トータルでちょっとだけ負け、の結果であった。証券の口座には、まだ資金を預けっぱなし(もったいない?)。
株の素人(自分の事だ)は、買った株がちょっと上がってはすぐ手仕舞ったり、逆にちょっと下がれば慌てて売ってしまったりする。Heyチキンっ!と馬鹿にされても仕方がない。それと比べて(比べるべくもないが)、このファンドの姿勢は積極的と言うか、勇敢と言うか。

ところで、こちらのサイト(「ロング・ショート型ファンド」)によれば(コメント欄参照)、

でも最低投資額が6400万円前後なので富裕層でないと買えませんね。

との事。元来リスキーな事を承知の上で投資してもらうファンドでしょうし、私共には到底買えない物であるのは納得。6400万円が吹っ飛ぶことが有り得る事を思えば、資産1億程度では手が出ないですね。ましてや私など(苦笑)以上述べたような、リスク許容度の問題があって資金に余裕のある方が勝ちやすいとされる(苦笑その2)
ファンドは「資金の質が大事」と聞いたことがある。中長期で結果を出していくスタイルのファンドであるはずなのに、短期指向の資金(出資者、短気な出資者とも言える??)が混じると困るらしい。ちょっと相場が下がっただけで、その資金が逃げ出すので、そのためにますます売らなくてはならなくなるとか。清原氏のファンドは、募る出資者を限定することで、リスクをある程度大目に見てくれる資金に恵まれているのだろう(と素人考えで思う)。

うーむ、富める者はますます富む、のフレーズが浮かんできた(苦笑その3)

成果主義がなじみやすい職業

「成果主義」をメインテーマにブログを書かれている「成果主義を自分の味方につける法」殿では、「高額納税者に見る スーパーサラリーマンの時代」と言う記事を書かれている。

やっぱり、自分の生活を賭けてリスクをとった人が、成功した時のリターンも大きくなるのは、当然のことです。まあ、サラリーマンの可能性が広まった というくらいに捉えておけば、間違いないかもしれません。

ハイリスクをとるからこそハイリターンが得られるのは自明だと思うが、普段の仕事でハイリスクをとるチャンスはあるのだろうか?と自分のやっている仕事を思い浮かべながら考える。日々の研究開発業務の中で「今まで使ったことのない工法の導入」なら、それなりにリスクと言えなくもない。が、ハイリスクかと言われると、ちょっと違う。
元々成果主義になじみやすい職業と言うものがあると思う。それはズバリ、結果が見えやすい、数字になりやすい職業であろう。
一番分かりやすい例は、プロ野球選手だろう。野手なら打率、投手なら勝ち星・セーブと、数字が必ず付きまとう。営業マンなら契約件数、売上高。件の清原氏のようなファンドマネージャーも、収益と言う形ではっきりと結果が見える。
戦国の世にさかのぼると、織田信長は戦の最中に、手柄を立てた武者にその場で直接小判を渡していたことがあったと聞く。この時代、首級がそのまま加増に結びついたことこそ、究極の成果主義と言えなくもない。先程出た「首級」と言う言葉は、古代中国・秦代の法で、敵の首を一つとれば、位を一級進級させたことから来ている(漢字源より)との事で、戦場での成果主義は二千年以上の歴史があると言うことだ(笑)
以上挙げた職業(お侍さんも職業に含めていい?)のどれも、勝負師的性格を要求されることが共通しているように思える。

数字が出ない場合はどうする?

問題は、数字に出てこなかったり、その数字を額面通り受け取れないようなケースだ。
青色LEDの中村修二氏にしても、「その収益をあげるには、販売に従事した人間、生産に尽力した人間、設備投資を決断した人間が居るのであって、中村氏だけが莫大な報酬を受け取るのはおかしい」と言う批判があるのは事実だ。ならば、その他の人達の取り分は幾らになるのだろう?青色LEDの基礎研究は中村氏が殆ど一人で(こっそりと)やったらしいのであるが、普通研究開発はチームでやるもの。アイデアを出した人(特許を書いた人)だけが偉いんだろうか?地道にサンプルを作り、試験をした人はどのぐらいの貢献度なのか?
現場の環境整備やメンテナンスに尽力した人はどのように評価すればいいのだろう?チームワークの保つために努力した人は、どのように点数をつければいいのか?えっ、チームワークは大事じゃないのか?これこそ、日本企業の強みであったのではないか?成果主義導入の失敗例としてよく槍玉に挙げられる某電機メーカーでも、各個人が自分の成果を追及するあまり、他人のフォローが疎かになりがちになってしまった事が、問題点として指摘されているのだ。

結局のところ、どんなものさしで測定するか、と言う問題にぶつかる。数字にならないものを数値化する課題がそこにあるし、複数の人間が絡む場合の、成果配分の課題もある。
さらに言うと、評価されるよりも評価する方が難しいのではないだろうか?思えば、学校で通知簿を受け取る経験は殆どの人がしているが、通知簿をつけた経験は教師以外にしていないだろう。今まで他人に点数をつけたことがない人間が、採点することを求められるのだから、いろいろ問題が出るのは当然のことと思う。
成果主義の権化と言えるプロ野球においても、単に打率などの数字だけで契約交渉をしてはいない。球団側は評価シートと言う言わば通知簿のようなものを提示するらしい。「走塁の積極性」とか「チームワークへの貢献度」など、数字に表れない部分を点数化してあるそうだ。長いプロ野球の歴史の中で、選手評価のノウハウを蓄積してきたのだ。
ましてや、一般の企業で成果主義が唱えられ始めたのはここ数年のこと。評価のノウハウが蓄積されてないのは仕方がない。まだまだ成果主義に対して、雇う側も雇われる側も、付き合い方をまだ模索している段階かと思う。人の考え方は、一朝一夕には変わらない物。成果主義が根付くには、時間が必要だ。
#ちなみに、私は派遣社員で、時給換算。成果主義の埒外なのは・・・。

---------------------------

ところで注目の清原氏である。

この清原氏、しばらくは、テレビや新聞、雑誌に追い回されることになるでしょう。ライブドア堀江社長の勢いが一頃ではなくなったマスコミにとっては、  新たなスター候補の誕生 といえるでしょう。
成果主義を自分の味方につける法:高額納税者に見る スーパーサラリーマンの時代、より)

果たして、ホリエモンに代わる経済界のスター(トリックスター?)になり得るのだろうか?その鍵はひとえに「キャラがたっているか?」にかかっていると思う。「想定の範囲内」級の流行語を生み出し、「女の愛は金で買える」級の問題発言をやってくれたら、ポスト・ホリエモンの地位を望めそう。そのうち「渋谷ではたらく社長の告白」ならぬ「投資顧問会社ではたらくファンドマネージャーの告白」なる書籍がヒットを飛ばすかもしれない。
・・・等と妄想してみたが、思えば資金を投じてくれるクライアントあっての商売である。レピュテーションリスクを背負ってまで、ポスト・ホリエモンを目指す必要はないのでは。

マスコミ関係各位には残念だが、もっとエキセントリックな人物を発掘することに努力されることをお勧めします。



posted by やすゆき at 02:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 経済面 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
引用をいただいたサイトの児玉です。
相変わらず幅広い視点で論じてますね!!清原さんネタを「ロング・ショート」「成果主義」「マスコミのキャラ」という3つの視点から論じきるには恐れいりました。本日、電車の中で見た「週刊現代(うろおぼえ)」の吊り広告が確か、「変人清原さん」みたいなタイトルでしたね。コンビニで立ち読みしようと思います。
Posted by 児玉 at 2005年05月23日 20:32
児玉殿、こんばんは。お褒めいただき、光栄です。
相変わらず、レスが遅くて申し訳ございません。勤務時間中は、レスを返さないもので。

>コンビニで立ち読みしようと思います。
私は週刊現代を買ってしまいました。しかも、週刊ポストまで!無駄遣いに終わらなければ良いのですが・・・無駄遣いでしょうね(笑)いや、突っ込みたくなる記述満載だと思うので、その点ブログのネタには最適かもしれません。また、一本書くかもしれません。
Posted by やすゆき at 2005年05月24日 21:59
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック