この本は、中央公論社発行の雑誌・書籍に掲載された司馬遼太郎と各氏との対談や座談会の記録集である。その中で「司馬史観」を存分に味わえる趣向だ。
対談は古い。1964年12月から1993年1月までに発表された対談であるから、時論としては湾岸戦争の辺りまでとなる。それでも、日本の一流どころの文化人・知識人が動員されているし、三島由紀夫や湯川秀樹・岡本太郎といった面々までラインナップされているから、様々な読み方が可能だろう。
扱う時代も幅広い。縄文・弥生から、日本の古代、中世から明治維新、そして20世紀末までありとあらゆるテーマが詰まっている。読書感想文として、全部を取り扱う訳にはさすがにいかない。